こんにちは。
今回は院長が専門としている神経内科についてお話しします。

患者さんや一般の方からは「神経内科ってどんな病気を診るの?」「心療内科や精神科、メンタルクリニックとどう違うの?」というご質問をいただくことがあります。

神経内科とは脳や脊髄、頭から手足につながる神経、(その先の)筋肉の病気を診る内科です。身体を動かしたり、感じたりすることや、考えたり覚えたりすることがうまくできなくなった場合にこうした病気が疑われます。
最近では脳・神経の疾患を専門的に診る内科であることをよりわかりやすく、脳神経外科に対応した名称として「脳神経内科」と標榜することを日本神経学会では推奨していて当院でも標榜科は「脳神経内科」としております。

では、神経内科・脳神経内科では具体的にどんな病気を扱うのでしょうか。

神経内科専門医を目指す専攻医(内科研修医についてを参照)のバイブルともいえる神経内科ハンドブック。
現在は改訂されて第5版になっています。
ハンドブックというよりも辞書みたいなボリュームですが、その目次には350以上もの病気の名前が並んでいます。
もちろん全てを神経内科が専門的に診るわけではなく、一部の病気は脳神経外科や整形外科、小児科で主に診ていただいているものも含まれます。

その中で神経内科が中心になって診ている主な病気をグループに分けて見てみると、(順不同)

  1. 脳血管障害:脳の血管に問題が生じて起こる病気(脳梗塞一過性脳虚血発作など)
  2. 機能性脳疾患:脳血流の変化や神経の興奮により起こると考えられている病気(てんかん片頭痛など)
  3. 変性疾患:脳を構成する神経細胞が徐々に減少する病気(アルツハイマー病パーキンソン病など)
  4. 感染性疾患:ウイルスや細菌の感染により起こる病気(髄膜炎脳炎など)
  5. 自己免疫性疾患:アレルギー反応のように免疫の異常を原因として起こる病気(多発性硬化症重症筋無力症など)
  6. 末梢神経障害:脳・脊髄から手足につながる神経に問題が生じて起こる病気(ギランバレー症候群糖尿病性神経障害など)
  7. 筋疾患:筋肉に問題が生じて起こる病気(筋炎筋ジストロフィーなど)

うつ病や適応障害、パニック障害などは精神的なこころの病気と考えられており、精神科や心療内科で主に診られています。

ただし、ご自身の症状がどんな病気によるものなのか患者さん自身はわからず受診されると思いますので、当院では脳・神経についての専門知識と技術をもって正しく病気を診断することを第一に診療をしております。
その上で適切な診療科への受診をお勧めしたり、より専門的な検査・治療が必要な病気が疑われる場合は信頼できる高次医療機関へご紹介させていただいています。

長くなってしまったので神経内科の病気が疑われる症状についてはまた別のコラムで書きたいと思いますが、心配なことがあればまずは当院へお気軽にご相談ください。