診療内容
もの忘れ外来
加齢とともに記憶力が低下し、忘れっぽくなることは避けられません。
もの忘れ外来では、そのもの忘れが「老化によるもの」か「病気なのか」を診断し、治療します。
もの忘れが目立ち始め「認知症が始まったのではないか」と心配されている方や、そのご家族さまは、遠慮なくご相談ください。
認知症とは
認知症は、脳の神経細胞が壊れたり機能異常になったりするために起こります。こういった徐々に進行する認知症の原因として、アルツハイマー病が6割、レビー小体型認知症が2割、脳梗塞等が原因の脳血管性認知症が2割と報告されています。
その一方で正常圧水頭症やアルコール関連の認知症のように、適切に対応・治療することで治る認知症もあるので、それを見つけることももの忘れ外来の大切な役割です。
アルツハイマー病のように完治が難しい認知症でも、適切に対応・治療することで症状の一部が改善したり病気の進行を緩やかにすることができます。
「認知症と診断されるのが怖い…」と思われるかもしれませんが、治療可能な認知症を正しく診断すること、それ以外のものでも早く病気の兆候に気づき、早く治療を開始することが、大切です。
認知症でよくある症状
- もの忘れ
- 置き忘れやしまい忘れが多くなる
- よく知っているはずの人の名前が出てこない
- 日付がわからなくなり、時間に不正確になる
- 同じことを何度も繰り返し言ったり、聞いたりする
- 性格が変わる、怒りっぽくなる
- 何事にも関心を持てなくなる
- 好きだった趣味をしなくなる
- 道に迷うようになる
- 幻覚が見える(小さな子供や動物など)
- ものを盗られたと妄想を言うようになる
- 仕事上で細かいミスが多くなり、仕事の速度が遅くなる
- 同じような料理しか作らなくなり、毎日似た献立になる
もの忘れ外来の流れ
当院では、もの忘れ外来の性質上、初診時にはゆっくりとお話を伺い、全身の診察に加えてスクリーニングテスト、検査の予約などを行います。
そのため、通常の診察よりかなり時間がかかりますので、完全予約制にて行っております。
認知症の診断と、初期治療の方針を決定する場合
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011回目
患者さんとご家族から、気になる症状や今までにかかった病気の状況、ご家族の病気の状況など、詳しくお話をお伺いし、患者さんの診察(神経学的検査)をいたします。
特に普段の生活状況を詳しくお伺いすることが診断につながりますので、患者さんの日常をよく知るご家族の同席をお願いいたします。
必要に応じて、血液検査、連携病院でのMRIなどの検査を行います。
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022回目
検査結果から、総合的に診断し、治療方針を決めます。ご自身の病気をしっかりと理解することがより良い治療効果、その後の経過に繋がりますので原則ご本人・ご家族に診断結果を説明し、治療の内容を相談しています。お薬の処方などを開始し、病状の変化などの様子を見ます。
1回目の診察等で診断が可能な場合は初診時から治療を開始する場合もあります。
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033回目(2回目の受診から1~2週間後 )
治療の効果や副作用を確認し、お薬の調整を行います。
認知症治療薬は少しずつ用量を増やしていく薬が多いため、最初はこまめに通院していただく必要があります。
その後、定期的にご来院いただき、病状などに応じてお薬の調整を行います。