こんにちは。
新年度になりましたね。
先日の春の嵐で桜はだいぶ見納めになってしまいましたが、暖かくなってお出かけが楽しい季節ですね。
徳重クリニックでは今年度も地域の皆さまが安心して暮らせるよう健康面でサポートさせていただきます。
令和8年度高齢者予防接種の変更点
新年度になり、北名古屋市の健康・福祉事業においてもいくつか変更点があります。
高齢者の予防接種では、肺炎球菌ワクチンの種類が変更になること、75歳以上で新たに高用量インフルエンザワクチンが定期接種に追加になることです。
高用量インフルエンザワクチンについては今年の秋からの開始が予定されていますが、従来のインフルエンザワクチンでの65歳以上の定期接種は継続ですので、75歳以上の方は従来のワクチンと高用量ワクチンから選択できるようになると思われます。
詳細はまだ決まっていないようですので、また改めて皆さんにご案内したいと思います。
新たな肺炎球菌の定期接種ワクチン「プレベナー20®」
一方で65歳および60~64歳で基礎疾患をお持ちの方を対象とした肺炎球菌の定期接種のワクチンは、令和8年4月1日より従来のニューモバックス®NPから「プレベナー20®」に変更になりました。
ワクチンの種類の変更に伴い、自己負担額も2500円から3500円に変更になっています。
定期接種の接種期間は65歳から66歳になる誕生日の前日までとなっていて、定期接種の対象者には北名古屋市から誕生月の翌月初旬に接種券(予診票)と案内が送付されます。
すでに65歳になっていて案内も受け取っているけどまだ接種しておらず、これから接種を希望される方も、4月1日以降はプレベナー20®での接種となり自己負担額も3500円となりますのでご注意ください。
受け取った接種券(予診票)はそのまま使えますので、当日必ずお持ちください。
従来のワクチンとの違い:効果が長続きする
そもそも、なぜ肺炎球菌ワクチンが必要かについては以前のコラムに書かせていただきましたが、改めてポイントをお伝えします。
肺炎球菌は大人の肺炎の原因として最も頻度が多く、肺炎以外にも髄膜炎や敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因となり、いずれも重症化率や致死率が高いことがわかっています。
こうした命に係わるリスクの高い肺炎球菌による感染症の発症を予防する観点から小児および高齢者で肺炎球菌ワクチンが定期接種化されています。
従来のニューモバックス@NPは莢膜多糖体ワクチンという種類のワクチンです。
莢膜(きょうまく)とは肺炎球菌の外側を覆っている分厚い膜で、これがバリアになって肺炎球菌は我々の免疫を担っている白血球に食べられるのを防いでいます。
ニューモバックスは、この莢膜の成分(莢膜多糖体)を注射することで抗体が産生されます。
肺炎球菌に感染した際、この抗体が莢膜にくっつくことで白血球が肺炎球菌を食べやすくなります。
ただし産生された抗体は時間経過とともに減弱し、約5年で効果が低下します。
一方でプレベナー20®は結合型ワクチンという種類のワクチンです。
莢膜多糖体にキャリアタンパク質を結合させることで、免疫記憶を担うメモリーB細胞が産生されます。
この免疫記憶が一度成立すると、時間が経っても肺炎球菌に感染した際に速やかに新たな抗体が産生されるようになるため、一度ワクチンを接種すれば効果は一生続くと考えられています。
さらに新しく強力な肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®」
昨年の10月に新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®」が発売されました。
プレベナー20®と同じ結合型ワクチンで、これまでのワクチンではカバーできていなかった血清型も含む21種類の血清型に対応しています。
肺炎球菌性肺炎、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)ともにカバー率が高いのが特徴です。
こちらのワクチンはまだ発売から間もないということで、残念ながら定期接種で使用するワクチンにはまだ採用されていません。

年齢・接種歴別のおすすめ
65歳もしくは60~64歳で基礎疾患をお持ちで定期接種の対象の方
プレベナー20®が安価に接種できます。
1回接種で効果が持続するので、これまでよりもシンプルで効果的な予防ができます。
よりカバー率の高いキャップバックス®を希望される方は自費での任意接種という形で接種も可能です。
66歳以上でニューモバックス®NPを接種済みの方
最後の接種から1年以上経過していれば、キャップバックス®またはプレベナー20®の追加接種が可能です。
これまで5年毎にニューモバックスを追加接種されていた方も、次回からは追加接種の不要な結合型ワクチンへの切り替えがおすすめされます。
結合型ワクチンの中では、カバー率の高いキャップバックス®がおすすめです。
まだ肺炎球菌ワクチンを一度も打っていない方
年齢に関係なくキャップバックス®をおすすめします。
ただし今後キャップバックス®も定期接種のワクチンとして採用される可能性がありますので、65歳に近い方は少し様子を見てみるのも一つの手です。
定期接種、任意接種ともにいずれのワクチンも当院で接種可能です。
事前予約が必要ですので、受付窓口もしくはお電話でご予約ください。
<参考文献>
日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版 2026年4月1日改訂)」
北名古屋市 徳重・名古屋芸大駅徒歩3分
内科・脳神経内科・循環器内科・小児科
徳重クリニック
院長 池田知雅
神経内科専門医、認知症学会専門医
頭痛外来、もの忘れ外来
