こんにちは。
先週は今季最強の寒波で北名古屋市でも珍しく雪が積もりました。
早々に溶けてくれたので一安心でしたが、愛知県内では交通事故も多かったようで注意が必要ですね。

今回は最近ご相談いただくことが増えてきた運転免許更新時の認知機能検査免除についてです。

なぜ75歳以上で運転免許更新時に認知機能検査が必要なのか

まず我々が車を安全に運転するためには、「時々刻々と変わる状況を正しく認知し、今後起こる可能性のある事態を予測し、次に取るべき行動を判断し、正しく車を操作する」といった、非常に複雑な脳の活動によって支えられています。

加齢により健康な方でも、動体視力が低下したり、反射神経が鈍くなって危険を察知してから車の動作に反映されるまでの時間がかかってしまうようになります。
認知機能が低下してくると、上で述べたような認知、予測、判断、操作に時間がかかったり正しく出来なくなって安全に車を運転することが難しくなってしまいます。
実際に、信号や道路標識の見落としやアクセルとブレーキの踏み間違いなどの操作ミスが原因の事故が高齢者では多いと報告されています。

高齢者人口が増加するに従って、75歳以上の高齢運転者による死亡事故が増加したこと、死亡事故を起こした高齢運転者の多くで認知機能低下が疑われたことが警察庁の交通事故調査で指摘され、2009年から運転免許更新時の認知機能検査が実施されるようになりました。
2017年からこの75歳以上を対象とした認知機能検査がさらに強化され、2022年からは過去に一定の違反歴がある人を対象とした「運転技能検査(実車試験)」も導入されています。

なお現在の道路交通法では、認知症は「自動車等の安全な運転に支障をおよぼすおそれがあり、運転免許の取り消しまたは停止の理由となる病気」に含まれますので、認知症の診断がついている場合は車の運転はしてはいけません。

認知機能検査はどこで受けたらいいか

上で説明した認知機能検査、これまでは運転免許試験場や一部の警察署で実施されていました。
その結果、「認知症のおそれがある」の判定が出た場合、専門医による診察を受け認知症かどうか診断を受ける必要があります。
当院のもの忘れ外来はこれまで、このような方の臨時適性検査や診断書作成を行ってきました。

2022年の道路交通法改正に伴い、「認知症に該当する疑いがないと認められるかどうかに関する医師の診断書等を公安委員会に提出した方」は運転免許試験場等での認知機能検査の受検義務が免除されるようになりました。
この改正、当初はあまり周知されていなかったようで問い合わせも少なかったのですが、ここ1-2年でかかりつけの患者さんから「徳重クリニックで認知機能検査受けれる?」とご相談をいただくことが増えました。
同時に、当院を受診することが初めての方からも運転免許更新のための認知機能検査をご依頼いただくようになりました。

徳重クリニックでの認知機能検査の流れ

当院では認知症学会専門医である知雅院長が認知機能検査に関わる診察を担当しています。
当院かかりつけの患者さんは診察時にご相談ください。
当院を受診するのが初めてという方は、もの忘れ外来の予約をお願いいたします。
受診される際には「運転免許更新のお知らせ」に同封された「認知機能検査等に関する通知書」や「認知機能検査のご案内」等の用紙をご持参いただけますと手続きについて一緒に確認できます。

まずは問診で普段の生活のご様子や通院中のご病気の状態などをお伺いします。
その上で認知機能検査を含めた神経学的検査を実施しています。
認知症の中にはご自身では症状の自覚がなく、簡単な会話だけでは気づけない認知症の原因となる病気もあります。
認知機能検査として改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やMini-Mental State Examination (MMSE)も実施しますが、これらの検査だけで認知症かどうかが判定されるわけではなく、例えばどちらも正常範囲内であるにも関わらず認知症であると判定される場合もあります。
もし、何らかの病気を疑う所見があった場合はMRIや血液検査などの追加検査をお勧めしております。
その上で、「認知機能の低下を認めない」と判定された場合は免除の手続きに必要な診断書を作成いたします。

保険診療で行っておりますので、初診で追加の検査がなかった場合は自己負担1割の方で3200円程度、2割の方で4400円程度です。(神経学的検査や診断書費用を含む)
診断書の発行には1週間程度お時間をいただいております。
追加の検査が必要となる場合もございますので、余裕をもって受診していただくことをお願いしております。

徳重クリニックで認知機能検査を受けるメリット

上でも述べたように、自覚症状なく、パッと見ただけでは認知症と気づけない病気も隠れています。
専門医による診察を受けることで、そうした病気に早く気づくことができます。

また認知症と診断されなくとも、認知症予備軍と言われる軽度認知障害(MCI)と診断される場合もあります。
MCIの場合、原因によっては早期に治療することで認知症への進行を防ぐことができる病気もあります。
薬の治療だけでなく、生活習慣を改善することで症状の進行を遅らせることができるとも報告されています。
アルツハイマー病が原因のMCIの場合は、新しく使えるようになった脳の原因物質を除去する治療も選択肢になります。

徳重クリニックでは患者さんの将来の認知機能をできるだけ維持することを目指して早期発見・早期治療をモットーに診療しております。
今回のコラムの内容に興味を持っていただいた方、当院の方針に共感いただける方、ご予約お待ちしております。

<参考資料>
警察庁HP 「運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について」
内閣府HP 平成29年交通安全白書 特集「高齢者に係る交通事故防止」


北名古屋市 徳重・名古屋芸大駅徒歩3分
内科・脳神経内科・循環器内科・小児科
徳重クリニック
院長 池田知雅
神経内科専門医、認知症学会専門医
頭痛外来、もの忘れ外来