こんにちは。
前回のコラムでは脳卒中と脳梗塞についてお話ししました。
脳卒中は確かに怖い病気ですが、日頃から注意して生活したり生活習慣病をしっかり治療することで脳卒中を発症する可能性を大きく減らすことができます。
今日は脳卒中のリスクを高めてしまう生活習慣や生活習慣病についてお話ししたいと思います。
生活習慣病とは
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群です。
病気の原因を考えたときに、「遺伝要因」「外部環境要因」「生活習慣要因」の大きく3つがあります。
遺伝要因による病気としては遺伝子や染色体などの異常によっておこる病気(遺伝性疾患)があります。
細菌やウイルスなどの病原体や有害物質などによる病気は外部環境要因が原因と考えられています。
一方で、「三大生活習慣病」と言われる「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」は生活習慣要因による病気と考えられてきました。
ただし近年の研究ではこれらの生活習慣病においても遺伝要因の関与が考えられています。
例えば血縁者に糖尿病の方がいらっしゃると糖尿病になりやすくなります。
家族性高コレステロール血症という病気もあります。
つまり上で述べた病気の原因というのは3つのいずれかに分類されるというよりは、どの要素が大きいかで考えると良いと思います。
その意味においては、生活習慣病は生活習慣要因が大きく関係している病気と考えて良いでしょう。
脳卒中の発症予防として
上で述べた「三大生活習慣病」である「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」は、いずれも脳卒中をはじめ心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化性疾患のリスクを高めます。
他には喫煙、多量飲酒、肥満、睡眠時無呼吸も脳卒中のリスクを高める要因になります。
実は年齢が最大のリスク因子で、60歳前後から右肩上がりで脳卒中の発症率は上がっていきます。
ただし年齢は努力をしても減らせない、皆平等に歳を取りますので、生活習慣を改善して生活習慣病にならないこと、また既に生活習慣病と診断されている方はしっかり治療して良い状態にコントロールすることで脳卒中の発症リスクを減らすことが出来ます。
このことは、交通事故に例えて患者さんにお話しします。
交通事故はある日、突然起きてしまいます。
事故は軽く済む場合もありますが、重症になって後遺症を残したり、時には命を落としてしまうこともあります。
自分に責任がなくても事故にあってしまうことはありますが、日ごろから安全運転を心がけて、ルールやマナーを守って運転することでその可能性を減らすことが出来ます。
脳卒中も同じです。
前触れなく、ある日突然発症します。
軽く済む場合もありますが、重症になって後遺症を残したり、時には命を落としてしまうこともあります。
特別なリスク因子が無くても発症することもありますが、生活習慣に気を付けて、生活習慣病を良い状態にコントロールすることでその可能性を減らすことが出来ます。
当院での生活習慣病の治療方針
既に脳卒中を発症された方は、特に再発のリスクが高いのでより高い治療目標を立てて生活習慣病のコントロールを図ります。(二次予防)
まだ脳卒中や心筋梗塞などを発症していない方でも、動脈硬化のリスクが高いと判断された方は一般の方よりも高い治療目標での治療をお勧めしています。
その判断は、糖尿病や慢性腎臓病などの合併症の有無、年齢、性別、血圧やコレステロールの数値などを勘案して患者さん一人ずつ個別に行っています。
また実際に動脈硬化性変化が起こっているかどうか首の動脈の超音波検査(頸動脈エコー)を行って判断する場合もあります。
こうした総合的な評価の上で低リスクと判断された場合は、すぐにはお薬での治療は開始せず、食事や運動などの生活習慣改善を指導して経過を見させていただく場合もあります。
院長、先代院長の哲朗医師も動脈硬化性疾患の治療を得意としていますので、健康診断で異常を指摘された場合も是非安心してご相談ください。
<参考文献>
日本脳卒中学会(編) 脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕
日本動脈硬化学会(編) 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
北名古屋市 徳重・名古屋芸大駅徒歩3分
内科・脳神経内科・循環器内科・小児科
徳重クリニック
院長 池田知雅
神経内科専門医、認知症学会専門医、頭痛学会
頭痛外来、もの忘れ外来