こんにちは。
今日の話題は「脳卒中」についてです。

脳卒中とは

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、急に脳の働きが悪くなり、それによって急に身体の不調をきたす病気です。
脳卒中には、血管が詰まっておこる脳梗塞(こうそく)血管が破れておこる脳出血とくも膜下出血の、3つが含まれます。
脳卒中は日本人の死因の第4位(1位:がん、2位:心疾患、3位:老衰)で、寝たきりの原因の第1位です。

病院の体制や地域にもよりますが、私がこれまで勤めてきた病院では脳梗塞は主に脳神経内科が、脳出血とくも膜下出血は主に脳神経外科が診療を担当していました。
特に冬の寒さが厳しくなると患者さんが増え、この時期に入院で受け持つ患者さんの半分以上は脳梗塞の患者さんでした。

脳梗塞の症状

脳梗塞は詰まった血管の場所によって様々な症状が現れます。
代表的なものとしては以下のものがあります。

  1. 片方の手足、顔の半分の麻痺、しびれ
  2. ろれつが回らない、言葉を発することができない
  3. 力はあるのに、立てない、歩けない、フラフラする
  4. 物が二重に見える、視野の一部が欠ける

こうした症状が「突然」起きることが特徴です。
症状は一つだけではなく、組み合わさって現れることもあります。
逆に、脳梗塞以外の病気でもこのような症状が現れることがあります。
そこで役に立つのが先日のコラムで紹介した「神経症候学」です。
患者さんの「症候」から、その症状の原因が脳梗塞なのかそれ以外のものか、脳梗塞だとしたらどこの血管が詰まって起きている症状なのかを診断しています。

脳梗塞の治療

脳梗塞の可能性が高いと判断された場合、状態によっては緊急の対応が必要な場合があります。
特に血栓(詰まった血の塊)を溶かす点滴の治療(rt-PA治療)や、太い血管に詰まった大きな血栓をカテーテルを用いた血管内手術で再開通する治療は、上手くいくと劇的に後遺症が軽くなる場合があります。
前者は発症後4時間半、後者は状況によって発症後24時間以内に治療が検討されますが、いずれの治療も早ければ早いほど治療が上手くいく可能性が高くなりますので、脳梗塞を疑ったらすぐに救急車を呼ぶか病院を受診してください。

発症後24時間以上経ってる場合も、症状がある程度ある方は早期に十分なリハビリテーションを行っていただいた方が回復が早く後遺症も軽くなります。
病院に受診するかどうか迷うような場合でも、当院へお越しいただけましたら脳梗塞の可能性が高いか低いか、緊急性が高いか低いか診断いたします。

脳梗塞になったら、気を付けること

脳卒中は確かに怖い病気ですが、発症後適切に対応することで救命し、後遺症を軽くすることができます。
そして生活習慣病や不整脈をしっかり治療することでそのリスクを減らすことができます。
次回はその辺りのお話をしたいと思います。

 


北名古屋市 徳重・名古屋芸大駅徒歩3分
内科・脳神経内科・循環器内科・小児科
徳重クリニック
院長 池田知雅
神経内科専門医、認知症学会専門医、頭痛学会
頭痛外来、もの忘れ外来